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資金調達や融資について、
スタートアップの経営者や個人事業主の方々からよくいただく質問をまとめました。
全20問 監修:FinTax Group /FinTax株式会社
主な方法は、①エクイティ調達(VC・エンジェル投資家からの出資)、②デット調達(銀行融資・日本政策金融公庫など)、③補助金・助成金の活用、④クラウドファンディング、⑤コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)からの出資です。事業フェーズや資金使途によって最適な手段は異なるため、自社の状況に応じて検討することが重要です。
日本政策金融公庫は政府系金融機関であり、創業間もない事業者向けの融資制度が充実しています。そのため、実績の少ないスタートアップでも融資が通りやすいのが特徴です。一方、銀行融資は事業実績や財務状況、オフィス実態などを重視する傾向があり、創業初期は利用ハードルが高い場合があります。まず日本政策金融公庫で資金調達を行い、その後の事業成長に応じて銀行融資へ広げていくケースも多く見られます。
日本政策金融公庫の場合、①試算表(創業から数か月経過している場合)、②創業計画書及び資金繰り表、③設備資金の見積書(該当する場合)、④通帳のコピー(自己資金確認)、⑤履歴事項全部証明書(法人の場合)が主な必要書類です。業種によっては許認可証のコピーも必要です。中でも創業計画書が最も重要な書類となります。
エンジェル投資家は個人として自己資金を投資し、少額(数百万〜数千万円)かつ初期ステージへの投資が多いです。VCはファンドとして機関投資家から集めた資金を投資し、より大きな金額(数千万〜数十億円)を投資します。意思決定スピードはエンジェルの方が速い傾向があります。
バリュエーションとは会社の企業価値評価のことです。資金調達では「プレマネー・バリュエーション(調達前の企業価値)」と「ポストマネー・バリュエーション(調達後の企業価値)」があります。例えばプレマネー2億円の会社が1億円調達すると、ポストマネーは3億円になります。
希薄化とは、新株発行によって既存株主の持株比率が下がることです。例えば既存株主が100%持つ会社が新たに株式を発行して30%を投資家に渡すと、既存株主の持分は70%に希薄化されます。調達のたびに希薄化が進むため、資金調達の計画は慎重に行う必要があります。
タームシートは投資の主要条件を記した非拘束的な合意文書です。投資金額、企業価値評価(バリュエーション)、株式の種類、取締役会の構成、優先分配権などの条件が記載されます。正式な投資契約書の前段階として交わされ、内容の確認に弁護士・税理士の関与を推奨します。
補助金は採択審査があり、競争率が高く採択されなければ受給できません。助成金は要件を満たせば原則受給でき、主に雇用関係のものが多いです(厚生労働省管轄)。いずれも後払い(支出後に申請)が基本で、受給まで数ヶ月かかることが多いです。
ものづくり補助金は中小企業の設備投資・革新的サービス開発を支援し、上限は最大1,250万円(補助率1/2〜2/3)です。IT導入補助金はITツール導入を支援し、上限は最大450万円(補助率1/2〜3/4)です。いずれも公募期間が限られているため、早めの準備が必要です。※金額は各公募回により異なります。
クラウドファンディングには購入型、寄付型、融資型、株式型など複数の種類があります。購入型クラウドファンディングで受け取った資金は、一般的に売上として計上され課税対象となります。株式型クラウドファンディングは金融商品取引法の規制を受けます。また、目標金額に達した場合のみ成立する「All-or-Nothing方式」と、目標未達でも成立する「All-in方式」があるため、利用するプラットフォームの条件を事前に確認することが重要です。
J-KISSとは、将来の資金調達時に株式へ転換されることを前提とした投資契約の一種です。投資時点では企業価値(バリュエーション)を確定する必要がなく、シード期のスタートアップが迅速に資金調達を行うためによく利用されています。次回のエクイティ調達時に、あらかじめ定められた条件に基づいて投資家へ株式が発行されます。日本のスタートアップではシードラウンドの資金調達手法として広く活用されています。
エクイティ調達(株式発行)は原則として収益にならず、資本金または資本準備金として計上します。デット調達(借入)は負債として計上し、返済・利息が費用になります。補助金・助成金は受取時に収益として計上し、課税対象になります。それぞれ適切な会計処理が必要です。
資金繰り表は月ごとの現金の入出を可視化するツールで、「黒字倒産」を防ぐために不可欠です。利益が出ていても、売掛金の回収前に支払いが重なると資金ショートします。金融機関への融資申請でも資金繰り表の提出を求められることが多いです。
SAFE(Simple Agreement for Future Equity)とは、将来の株式発行を前提とした投資契約で、米国のスタートアップ業界で広く利用されている資金調達手法です。投資時点では株式を発行せず、将来の資金調達時に一定条件で株式へ転換されます。J-KISSと似た仕組みですが、SAFEは米国発祥の制度であり、日本ではJ-KISSがSAFEを参考にして設計されたスキームとして普及しています。
①日本政策金融公庫からの借入実績を作ること、②毎月の試算表を整備して財務状況を透明化すること、③明確な事業計画書を作成すること、が重要です。また税理士と顧問契約があることで銀行からの信頼度が上がるケースが多いです。
成長投資(プロダクト開発、マーケティング)にはエクイティファイナンスが適しています。返済能力が見込める設備投資や運転資金にはデットファイナンスが向いています。エクイティは株式希薄化、デットは返済義務というそれぞれのデメリットを理解した上で組み合わせましょう。
CB(転換社債型新株予約権付社債)とは、一定の条件を満たした場合に株式へ転換できる権利が付いた社債です。投資時点では負債として扱われますが、将来的に株式へ転換されることがあります。スタートアップでは、企業価値評価(バリュエーション)の決定を将来へ繰り延べる手法として、コンバーティブルノートやJ-KISSなどの仕組みが利用されることがあります。
中小企業経営強化税制は、中小企業が設備投資をした際に即時償却または取得価額の10%(資本金3,000万円超1億円以下は7%)の税額控除を選択できる制度です。認定経営革新等支援機関(税理士等)の確認を受けた上で、経営力向上計画の認定を取得する必要があります。
まず現状の資金繰りを見直し、コスト削減・売上加速・売掛金の早期回収などのキャッシュ改善策を実施します。次に取引先への支払い猶予交渉、金融機関へのリスケジュール(返済条件変更)交渉を検討します。早めに税理士等の専門家に相談することが重要です。
IPOを目指すスタートアップでは、シード、シリーズA、シリーズB、プレIPOと段階的に資金調達を行うケースが一般的です。各ラウンドで調達した資金を事業拡大や組織整備に活用し、次の成長ステージにつなげていきます。また、上場準備では内部管理体制やガバナンスの整備も重要となるため、資金調達だけでなくIPOスケジュールを見据えた中長期的な資本政策が求められます。
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